Amazon.co.jp これまでにもソフトウェアの開発方法として、いろいろな提案がなされ実践されてきたが、本書で解説されているXPは、中小規模のソフトウェアにふさわしい開発方法である。XPは単なる机上の空論ではなく、すでにいくつものソフトウェア開発で実績を上げている。現在実践されているソフトウェア開発方法に不満を持っている人にとって、斬新な視点と方法を与えるだろう。
『XP・エクストリーム・プログラミング入門』(原題『Extreme Programming Explained』)は、XPの創始者でもあるケント・ベックによって著された初めてのXP関連書で、XPの基礎となる概念と哲学について書かれている。まず最初に、解決すべき問題点を取り上げ、それを解決するために、どのような方針や戦略を用いればいいかが示される。そして、XPによる具体的な解決策を提示して、その実践を紹介している。
本書によれば、XPは健康的なコード作成のための規律である。そのために守らなければならない原則を具体例を交えて示している。XPではプログラムの開発をペアプログラミングという2人1組のプログラマーが行い、リファクタリングという方法で既存のコードの改良を逐次行うことがポイントとなっている。リファクタリングとは、すでに確実に動作する部分でも、改良の余地があれば積極的に書き換えることである。しかし、納期におわれているプログラマーは、必要な機能が実現しバグがなく動いているコードをあえて書き換えることはしたくないものだ。あるコードを洗練するためだけに行った変更が、ほかの部分の大幅な書き直しを引き起こしたり、新しいバグが加わったりして、納期や開発計画に遅れを生じかねない。しかし、XPは変化を受け入れ、勇気を持って改良していくことを勧めるのである。
XPが採用されているリファクタリングとデザインパターンについては、『リファクタリング』と『オブジェクト指向における再利用のためのデザインパターン』がある。(村藤一雅)