Amazon.co.jp 米国で有名なコンサルティング会社の創業者で、整理整頓術のベストセラー書もある著者が、独自に編み出した時間管理術を本書で披露している。著者の「管理」の対象は、仕事だけでなく家事や育児、勉強、趣味、ボランティア活動など生活全般に及ぶもので、それによって人生を成功に導こうというのが目標である。実用的でありながら、自己啓発の要素も多いのが特徴である。
全8章で示すのは、現状の把握、プランづくり、実行、の3つのステップで、それを多彩なプログラムが支えている。ツールや指針、自己分析の視点などが盛りだくさんで、「人生のゴール」に向けたスケジュール作成を手取り足取りサポートしてくれる。
とくに、「『仕事』は限られた空間にはめ込む必要のある物体」と見なすなど、時間のとらえ方は参考になる。また、時間管理がうまくできない理由をノウハウ面、環境面、心理面から計24ケースも示しており、だれもが該当する処方箋を見つけられるはずだ。
主要なツールとしては、用件を収める「箱」としての「タイムマップ」や、そこに用件を「ふり分け」「切り捨て」て収めていく方法などが示されている。これは、いつやるか、優先順位は、効率がいい方法は、受けるか断るか、人に任せるか自分でやるか…といった、仕事が発生したときの悩みに最適の答えを出してくれるものとして役立つ。
全体に、時間と仕事をめぐる心理面の葛藤などがよくとらえられており、そこから無理なく脱する思考法まで与えてくれる。厳しい時代を生き残るため、というプレッシャーをかける仕事術の書が多いなかで好感がもてる1冊だ。(棚上 勉)