Amazon.co.jp ハリー・ポッター・シリーズもそろそろ新しい切り口が尽きたかに見えた矢先、Stephen Fryのめいっぱい傲慢(ごうまん)な、そしてめいっぱいいたずらっぽい語り口が、『Harry Potter and the Philosopher’s Stone』(邦訳『ハリー・ポッターと賢者の石』)をオーディオ版として生き生きとよみがえらせた。
ハリー・ポッターは人生最初の10年間を、おそろしいダーズリー一家(おば、おじ、それにデブでわがままないとこ)のなすがままにされてきた。両親を亡くしたハリーを彼らがしぶしぶ引き取ったのだ。だが、11歳の誕生日、ハリーは自分が普通の少年ではないことを知り、一家が必死でじゃまするにもかかわらず、ホグワーツ魔法魔術学校に入学、見習い魔法使いとしての生活を始める。後はご存じのとおり…。
ハリーが行く手に待ち受ける悪と戦うとき、Stephen Fryはストーリーにぴったりの、皮肉で乾いた、つい引き込まれてしまうユーモアをまじえて、ホグワーツでの難局で新しい人生にまっこうから取り組む彼らの最高の部分を引き出す。もって生まれた低く単調な、上流社会独特の語り口が、この最高の魔法物語にぴったりだ。ガリ勉ハーマイオニーの甲高いわめき声、断固として、それでいて公平なダンブルドア校長の穏やかな口調、陰険なスネイプ先生の意地悪な発言を、絶妙のタイミングで使い分ける。
『Harry Potter and the Philosopher’s Stone』は傑作で、その成功ぶりがさかんに報じられているが、Fryの朗読を聞くまではこの最高の魔法物語を体験したとは言えない。他のオーディオブックと同様、ドライブに最適。本をあまり読みたがらない人にハリー・ポッターの魔法を体験させるのにも理想的な方法だ。(対象年齢9歳以上)(Susan Harrison, Amazon.co.uk)